在留資格「特定技能」について


 みなさんこんにちは、昨年12月に国会で可決された出入国管理及び難民認定法改正が2019年4月1日より施行されます。施行に向けて法務省を始めとする関係省庁では、制度の具体的な運用を行うため省令や規則の内容を検討しているところです。3月に入ると法務省は国内各地で説明会を始めるとの報道もあります。今日は、法務省の公表した資料をもとにその内容を見てみたいと思います。

1.省令案の概要

 現在検討されている法務省令案の概要は以下の資料のとおりになっています。

(電子政府窓口のパブリックコメント募集用の資料を引用しています。)

 ここから、見えてくるのは、在留資格「特定技能」の創設にあたって、「契約、受入れ機関、支援計画等に関する基準省令」と「分野、技能水準に関する省令」新たに制定されること、既存の「上陸基準省令」と「出入国管理及び難民認定法施行規則」が改正されるということです。

2.契約、受入れ機関、支援計画等に関する基準省令

 在留資格「特定技能」は、これまで日本が在留を認め受け入れてきた外国人の類型を新たに追加することになります。そこで、外国人が不安なく日本で就労するため、就労する職場環境や処遇などに、一定の条件を付けて外国人を保護しようとしています。これは、技能実習で様々な問題が起きたことへの反省も含まれていると思います。省令の細部は3月には公表されると思われます。

(1)特定技能雇用契約

 在留資格「特定技能」の外国人を雇用し就労させる受入れ機関(会社等)は、就労する外国人の方と特定技能雇用契約という形の雇用契約を結ぶことになります。そこには、つぎのような内容が必要です。

 ① 従事する活動内容(仕事の内容)

 ② 報酬その他の雇用条件(日本人と同等以上であること)

 ③ 特定技能活動終了時の出国(帰国)の確保(帰国費用の負担)と円滑な帰国の支援

(2)受入れ機関(会社等)が満たすべき基準

 省令では受入れ機関(会社等)が外国人の適正な就労を確保するためその要件を定めています。一見、当たり前のことが書いてありますが、それを適正に遵守することは相応の努力と負担が必要です。例えば、「労働、社会保険及び租税に関する法令を遵守していること」をみるとその中身として考えられるのは、「労働保険・社会保険に全ての従業員が適正に加入しており、加入脱退及び異動の手続を遅滞なく行い、保険料も納期限通り全額納付していること。法人税・源泉所得税・固定資産税等の税金を適正に申告して納期限通り全額納付していること。」ということが想定できます。会社であれば経営の健全を確保してこの内容を達成するのは大変だと思います。また、「非自発的に離職をさせていないこと」は、「外国人就労者が会社都合などで解雇や雇止めしたことがない。」というように読み取れます。3月に公表される省令の内容をみて、受け入れ機関(会社等)の経営状況や職場環境を一度チェックしたほうがいいかも知れません。

3.分野別技能水準に関する省令

 特定技能を受け入れ可能な産業分野では、その産業分野で就労可能な特定技能の水準を設定します。そして、各業界が実施する日本語の能力試験と各産業分野の技能試験に合格した人を、在留資格「特定技能」として受け入れるのが今回の制度です。各産業分野がどのような条件の外国人を受け入れ対象にするのかこの省令です。対象14業種はつぎのとおりです。

⑴介護業

⑵ビルクリーニング業

⑶素形材産業

⑷産業機械製造業

⑸電気・電子情報関連産業

⑹建設業

⑺造船・舶用工業

⑻自動車整備業

⑼航空業

⑽宿泊業

⑾農業

⑿漁業

⒀飲食料品製造業

⒁外食業

(法務省資料「分野別運用方針(14分野)」より抜粋)

 ここで、素形素材産業をみると日本語能力の試験として「日本語能力判定テスト(仮)等」を課し、産業分野の技能試験として「製造分野特定技能1号評価試験(仮)」を課すとなっています。この2つの試験で合格点をとらないと、在留資格「特定技能」取得の前提が満たされません。また、受入れ機関(会社等)が受け入れ可能な業種であることも必要です。このような内容が受入れ可能14業種について決められます。

4.結び

 今日は、特定技能に関する省令の全体像と新設の省令の概要をお話ししました。法務省が公開している資料をもとに私なりに考えをまとめてみました。時間が進んでより細かい資料が公開されると、より正確な制度の運用がわかってくると思います。日々情報収集を行って行きたいと思います。次回は、改正される省令2つについてお話しできればと思います。

 本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

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