古物営業法の改正について


 みなさんこんにちは、今日は珍しく古物営業法のお話しをしてみたいと思います。中古品等の売買を業として行う場合は、古物営業法の規制の対象となり、各都道府県の公安委員会から古物商の許可を受けなくてはなりません。今日は、改正古物営業法についてお話ししたいと思います。

1.法改正の概要

 改正された古物営業法は、平成32年4月に施行されます。その概略はつぎのとおりです。

(1)許可単位の見直し(主たる営業所の届出)

 古物商の許可は、現在の古物営業法では営業所が所在する都道府県ごとに公安委員会から許可を受ける必要があります。これが、改正後は主たる営業所が所在する都道府県の公安委員会から許可を受ければ、その事業者がほかの都道府県に営業所を設置した場合には、営業所を設置した都道府県では、公安委員会には届出のみで済むことになります。

 これまでは、都道府県ごとに許可を取っていたものが許可は1回でよくなり、あとは、営業所を開設したことを届出れば良いということになります。一見、手続きが簡単になったように見えます。しかし、申請や届出の内容を補完する書類がなくなる訳ではないようですので、提出にあたっての準備はこれまでと大きくは変わらないと思われます。

(2)仮設店舗での営業

 現行法では、古物商の営業場所は営業所又は取引先住所等となっていました。改正後が、この2つに加えて、仮設店舗(イベントのブース等)で一時的な営業も営業場所として扱われます。営業を行う3日前までに、仮設店舗を設置する都道府県の公安委員会に「仮設店舗届出書」を提出します。

(3)簡易取消し

 簡易取消しは、これまでなかった制度です。要件を満たすとこれまでよりも短期間で営業許可の取消し処分が行われるので注意が必要です。その内容は、許可を受けた古物商の所在を確知できない場合、公安委員会が一定期間公告を行って、30日を過ぎても申出がない場合、公安委員会が許可を取り消すことができるとなっています。これは、存在に疑義があったり廃業したりした古物商をできるだけなくして、違法行為などの温床にならないようすることが目的だと、私は思います。

(4)欠格事項

 現在の古物営業法では、欠格事項のなかに暴力団などの反社会的勢力を排除する条項がありませんでした。今回の改正では、新たにこの条項が入ります。許可申請書や添付資料の内容が変更になるかも知れません。

2.経過措置

 改正古物営業法は平成32年4月に施行されます。施行にあたり既に古物商の許可を受けている事業者を対象に経過措置がとられることになっています。

(1)主たる営業所等の名称及び所在地の届出

 改正古物営業法では、主たる営業所を公安委員会に届出る必要があります。これは、既に古物商の許可を受けている事業者にも例外なく適用されます。そのため、都道府県の公安委員会は、「主たる営業所等の届出書」の提出を求めています。各事業者は主たる営業所を定めて、主たる営業所が所在する都道府県の公安委員会に「主たる営業所等の届出書」を提出しなければなりません。期限は、改正法の施行前までとなっていますので、平成32年3月末が期限となります。届出を行えば、改正古物営業法による許可を受けたものとして扱われます。一方、届出を怠ると無許可営業とされ、最悪の場合は許可が取り消しになる可能性も出てきます。改正法施行前に届出を行うことが重要です。この届出、既に許可を受けている全ての古物商が行わなくてはなりません。例外はありませんので注意してください。また、複数の営業所で営業を行っている事業者は、主たる営業所以外の営業所について、その他の営業所として届出ることになります。

(2)許可証の扱い

 (1)の届出を行った場合、現行法のもとで発行された許可証は、改正法施行後も有効な許可証として扱われます。だだし、複数の都道府県で営業している事業者は、改正法施行後に、現在の許可証を主たる営業所の所在する公安委員会に提出して、改正法に基づく新しい許可証の発行を受ける必要があります。

3.結び

  今日は、いままで取り上げたことのない古物営業法について、法改正の内容を整理してみました。法律の改正はある種サイレントキラーと言っても良いと思います。国会では毎年100件単位で法律の改正が行われます。報道などで話題となる改正は、認知しやすいですが、手続法や規制法の改正はあまり報道されません。改正内容は該当する業界内などで情報が伝搬していきますが、これを聞き漏らすと情報を知るチャンスがなくなります。知らないまま法改正が施行されると一気に問題が表面化します。日頃から法律の改正には注意しておく必要があると思います。

(参考) 神奈川県警のHP https://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesd0044.htm

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