外国人留学生の就職


 

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みなさんこんにちは、今日は外国人留学生の就職について考えてみたいと思います。2019年3月に大学や専門学校を卒業して就職する学生の就職活動も、落ち着きをみせる時期にさしかかりましたので取り上げてみたいと思います。

1.外国人留学生が日本企業に入社するとき

外国人留学生が日本企業に就職する場合は、在留資格(VISA)についてはどのような手続きが必要かご存知でしょうか。外国人留学生のみなさんは、現在は在留資格「留学」だと思います。日本企業に就職して正社員や派遣社員としてフルタイムで働く場合は、在留資格「留学」のままでは働くことができません。在留資格をフルタイムで仕事のできる在留資格に変更する必要があります。フルタイムで仕事ができる在留資格は下表の「就労できる」の分類が該当します。一般企業に就職して正社員や派遣社員として働く場合、在留資格は在留資格「技術・人文知識・国際業務」に変更する必要があります。また、在留資格「家族滞在」で大学や専門学校に通学している方も、企業に就職する場合は在留資格「技術・人文知識・国際業務」に変更する必要があります。

2.在留資格の変更手続き

 在留資格「留学」や在留資格「家族滞在」の方が、在留資格「技術・人文知識・国際業務」に変更するには、入国管理局に申請して許可を受ける必要があります。申請の区分は、「在留資格変更許可申請」という区分になります。これまでは、在留資格(VISA)の取得と更新には、通学する学校(大学・専門学校)などの支援がありましたので、学校(大学・専門学校)の指示に従って必要書類を作成して証明書を取得すれば、在留資格(VISA)することができました。しかし、学校を卒業して就職するときは、学校(大学・専門学校)の支援は基本的にはなくなります。学校(大学・専門学校)は申請の当事者ではなくなるので直接関与することが難しくなります。在留資格「技術・人文知識・国際業務」は就職する学生と雇用する企業が当事者になるからです。ですが、「在留資格変更許可申請」について、十分な支援を行っている企業とそうでない企業に分かれると思います。また、採用した外国人の実績(人数・国籍)により、支援のノウハウが十分に備わっていない企業もあると思います。そのような状況もあり、これまでは、多くの企業では本人の問題として、「在留資格変更許可申請」の手続については、留学生本人の努力に任せていた傾向が強く、企業側は証明書類の提供などに留まっているように思います。

3.人材確保に向けた企業の取り組みの必要性

 人手不足が問題となっているなか、優秀な人材である外国人留学生を採用して労働力を確保して、企業の成長を維持することも経営課題のひとつになっています。内定を出した留学生が在留資格(VISA)の問題で入社できない事態がおきないように取り組むのも、必要になってきたのではないでしょうか。今年に入り政府も、2019年4月からの新たな在留資格区分の実施に向け具体的に動いています。留学生の就職について、これまでの在留資格「技術・人文知識・国際業務」の枠と異なる枠組みが制定される方向性も示されています。まだ不透明ですが、一定の要件を満たした留学生が、サービス業や農業などに従事できる道が開ける可能性も検討される余地もあるのではないかと思います。

 また、2019年4月に入国管理局が入国管理庁となり組織が強化されます。その中では、日本に在留する外国人の生活支援も業務に組み込まれる予定です。これは、指定団体や企業が外国人従業員の日本での生活を支援して、日本での生活が円滑に過ごせることを狙いとしていると思います。このようなことは、これまでコミュニテイの中で情報共有される傾向が強かったと思います。困ったときどうすればいいのかを、行政が十分に支援できていなかったことにようやく手を付け始めたというところです。企業の側も外国人の従業員を人材として活用するためには、外国人固有の「在留資格(VISA)」に係る事項を、会社の人事勤労管理の問題としてとらえる必要があります。

4.結び

2019年4月実施を目指して、秋の臨時国会で入管法と関連法の改正が審議されると思います。そのなかで、外国人の方の立場にも心を配った審議がなされて法案が成立することを望んでいます。そして、日本の企業から内定を得た留学生のみなさんが、在留資格変更の許可を問題なく受けて、来年の4月に入社できることを願っています。

行政書士は多年にわたり、外国人の在留資格(VISA)や国際結婚そして帰化に関する手続きを支援してきました。携わった多数の事例を通して、在留資格(VISA)の問題を中心として、外国人の方の生活上の問題を支援しています。

本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

(参考文献)
「出入国管理」パンフレット(2017)     2017年    法務省入国管理局
出入国管理法令集(改訂第19版)     2016年12月  公益財団法人 入管協会
よくわかる入管手続 第5版        2017年7月  佐野秀雄 佐野誠 共著 日本加除出版
詳説 入管法の実務 新版         2017年10月  山脇康嗣著 新日本法規出版
ひと目でわかる外国人の入国・在留案内 15訂版 2016年2月  出入国管理法令研究会編 日本加除出版
2018年7月から2018年9月にかけての新聞各社・通信各社の在留資格に関する報道

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