許認可のあれこれ (その2)


 みなさんこんにちは、今日も前回に続いて許認可の用語のお話をしたいと思います。役所が行う行為には、様々な名称がつけられています。名称毎にその意味するところが違い、法律的な効果も異なります。役所の行為の影響を受ける私たちにもたらされる効果も異なってきます。引き続きみていきましょう。

1.認証

「認証」とは、「ある行為又は文書の記載が正当な手続きでされたことを公の機関が証明すること。」を意味します。ISO9001やISO14001の認証を思い浮かべると納得できると思います。情報処理や環境保護についてISOが制定する基準に従って、所属する組織のルールや行動が実施されていると認められると、認定機関から「認証」を受けることができます。しかし、役所での「認証」は違った意味を持っています。例えば「自動車の解体整備事業に関する認証」という制度がありますが、これは基準を満たした事業所に自動車解体整備業を認めるといった性格が強く、実質的には「許可」の性格を持っています。

2.確認

 「確認」は、「役所が事実又は法律関係の存否を確認する行為」とされています。これは、建築確認を例にして説明したいと思います。建築確認は、建築物の計画が建築基準法や規則などの関係諸法令の基準に適合しているか(基準が示した条件を守っているか)を、機械的(事務的)にチェックするもので、役所の裁量的な余地はないとされています。法令に適合していれば「確認」が出ます。一方、適合していなければ確認は出ません。同じ法令下であれば、同じ内容の確認書類なら同じ結果になることになります。

3.届出

 「届出」は、これまでご紹介してきた用語と性格を異にする内容を持っています。その内容は、「役所に対し、一定の事項を通知する行為であって、役所の諾否の応答を予定しないもの。」とされています。「届出」は、ある意味では役所に対する報告です。例として、戸籍の出生届などを考えていただければ良いと思います。子供が生まれたとき、子の名前、生年月日、父母の名前などを出生届の様式に記載して、市役所の戸籍係に提出します。これには、役所側には諾否の裁量はありません。出生の事実の報告を受けるしかありません。しかし、これを怠ると子供の成長過程で、医療や教育を中心にいろいろな問題が発生します。届出を怠った場合の罰則も設けられています。「届出」は、役所の行政上の必要から制度が設けられていますので、「届出」の内容に不備があるなどすれば、役所から補正(修正)を求められたり、書類を返されたりします。役所の必要な情報を適正に報告しないと、「届出」をしたとはいえないのです。
 
4.結び

 役所の事務の流れは、申出→内容審査→処分(結果)という流れで進んでいきます。前回と今回お話した、許可・認可・特許・認証・確認・届出の各行為もこの流れで進みます。ただ、同じ流れをたどりますが、その中で行われている内容には差があり、最終的に私たちに対してなされる処分(結果)(処分は、悪いことに対する罰という意味でなく、役所が私たちに対して行う行政行為全般を言います。)の内容も異なります。わずかな用語の違いで、私たちに対する役所の行為の意味合いが変わります。たまには気にしてみても良いと思います。

 本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

(参考文献)
行政法 第3版                    櫻井敬子 橋本博之 著 20097月 弘文堂
行政書士業務必携                   青山登志朗 編著    20138月 大成出版社
法律学小辞典 第4版補訂版                          200810月 有斐閣

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