許認可のあれこれ (その1)


 みなさんこんにちは、今日は許認可についてお話したいと思います。皆さんは、許認可というとどんなことを思い浮かべるでしょうか。まず、何かを始めるとき、役所に書類を提出してあれこれ理由を説明して、やりたいことを役所に認めてもらう。まさに、お役所の仕事の典型だと思われるでしょう。今日は、そんなことについてお話ししたいと思います。

1.許可・認可・特許

 役所にあることを認めてもらうとき申請書を書きます。その申請書の表題(タイトル)は「○○許可申請書」「○○認可願」「○○免許交付申請書」などとなっていることが多いですね。日常的には、役所から「お許し」が出たという受け止め方になっていると思います。しかし、「許可」「認可」「免許」と言葉を使い分けている以上、役所の「お許し」の意味が違っています。今回は基本的な用語である「許可」「認可」「特許」をとりあげ、その違いをみて行こうと思います。

(1)許可

 「許可」には、代表的なものとして「飲食店営業許可」「建設業許可」「酒類販売業許可」などがあります。これらに共通する意味合い(「許可」の定義づけ)は、つぎのとおりです。

 「本来は誰でも享受できる個人の自由を、公共の福祉の観点からあらかじめ一般的には禁止しておき、個別の申請に基づいて、個別に禁止を解除して適法にその行為をすることができるようにする行政行為」

と定義されています。例にあげた3つの許可は、本来は憲法で保障された「営業の自由」からすると、自由に商売を始められるものです。しかし、商売である以上、消費者に適正な商品やサービスを提供して営業を継続できないと、社会の混乱を招きます。また、事業者が犯罪や反社会的勢力に加担する恐れがあると、社会全体の脅威になります。このような「公共の福祉」の観点から、法律で、本来自由である営業を原則禁止として、営業を始めようとする者が「公共の福祉」を害する恐れがなく適正な商品やサービスを提供できるかを、役所の審査に適合した者にだけ営業を認めるのが、「許可」ということになります。自動車の運転免許も内容的にはこの「許可」にあたるといわれています。

(2)認可

 「認可」には、代表的なものとしては「農地の売買」「私立学校の設立」などがあります。これらに共通する意味合い(「認可」の定義づけ)は、つぎのとおりです。

 「行政が私人間相互の行為を補充してその法律上の効力を完成させる行政行為」

と定義されています。「農地の売買」を例に考えると、土地の売買は自由に行うことができますから、売主と買主で売買契約を交わすと通常は土地の売買ができます。しかし、売買する土地が農地(田畑等)の場合は、農地法で役所(市町村もしくは都道府県)が認めないと登記ができないため、所有権が買主に移転したことが、他人からはわかりません。つまり、世間から見て売買が完成したとわかる状態にならないのです。これを完成させるためには、農地法に基づいた役所の売買に対するお墨付きが必要だということになります。この役所の行為が「認可」といわれるものです。「許可」より分かりにくいですね。

(3)特許

 「特許」というと、商品などの特許を連想すると思います。しかし、許認可でいう「特許」の意味は異なります。「特許」にあたる例としては、「道路の占用許可(電柱設置・ガス管埋設など)」「鉄道事業の許可」が代表例です。個人や中小企業にはなじみ薄いですね。これらに共通する意味合い(「特許」の定義づけ)は、つぎのとおりです。

 「本来的自由に属しない特権ないし特別の能力を付与したり、包括的な法律関係を設定する行政行為」

と定義されています。これを「道路の占用許可」で考えてみると、道路(公道)は誰でも自由に通行して使うことができます。ここに、「電柱を立てる」「ガス管や水道管を埋設する」など本来なら認められないことを勝手にすることはできないはずです。これをする人に役所が特別な権限を与えて、「電柱立てる」ことができる権限を与えます。これが「特許」です。私が、自宅へ電気や電話のケーブルを引き込むため、公道に電柱を立てたら、道路管理者である役所(国、都道府県及び市町村)から、「特許」がないので電柱を撤去するように命令されてしまいます。
 
3.結び

 今日は、唐突だったかもしれませんが、許認可に係る基本的な言葉の説明から、役所の行う行政行為の意味合いをお伝えしたいと思いました。日常的にはこの説明と違う内容で使用されている場合も多数あるので、いささか大変です。ほかにも、認証・認可・届出・許諾など日ごろは耳慣れない用語が多数あります。折をみて少しずつお話したいと思います。

 本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

(参考文献)
行政法 第3版                    櫻井敬子 橋本博之 著 20097月 弘文堂
行政書士業務必携                   青山登志朗 編著    20138月 大成出版社
法律学小辞典 第4版補訂版                           200810月 有斐閣

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