定住者について(その4)


みなさんこんにちは、今日も外国人の方の在留資格(ビザ)についてお話ししたいと思います。前回までで法務省の定住者告示に示された類型の方々についてひとととおり見てきました。今回は、定住者告示にない類型(いわゆる、定住者告示外)の方々についてみていきたいと思います。

1.家族に関するもの

(1)配偶者との離婚
 この類型は、日本人、永住者又は特別永住者を配偶者とした人が、離婚後に引き続き日本で在留する方が該当します。条件としては、概ね3年以上の正常な婚姻関係と家庭生活を継続していたことが前提条件になります。そして、離婚後も自立して生計を営める資産または職業上の技能を有し、日常生活に支障のない日本語の能力が必要とされています。また、公的義務を果たしており今後も義務を果たすことが見込まれることが必要です。

(2)配偶者との死別
 この類型は、日本人、永住者又は特別永住者を配偶者とした人が、配偶者が死亡した後も引き続き日本で在留する方が該当します。条件としては、配偶者と死別するまで、概ね3年以上の正常な婚姻関係と家庭生活の継続が前提条件になります。死別後も自立して生計を営める資産または職業上の技能を有し、日常生活に支障のない日本語の能力が必要とされています。また、公的義務を果たしており今後も義務を果たすことが見込まれることが必要です。

(3)日本人の実子を監護・養育する者
 この類型は、日本人の配偶者との間に生まれた実子を、離婚又は死別後も日本で監護・養育する方が該当します。日本人の実子の親権者であって、実際に相当期間にわたりその子の監護・養育をしていることが必要です。そして、自立して生計を営める資産または職業上の技能を有していることが求められます。

(4)事実上の婚姻破綻
 この類型は、日本人、永住者又は特別永住者を配偶者とするが、配偶者の家庭内暴力(DV)やネグレクト(相互扶助の放棄)をうけ、事実上婚姻関係が破綻した後も日本で在留する方が該当します。条件としては、概ね3年以上の正常な婚姻関係と家庭生活の継続していた後に、配偶者からのDVやネグレクトを受けて被害を被ったこと。自立して生計を営める資産または職業上の技能を有していること及び公的義務を果たしており今後も義務を果たすことが見込まれることが必要です。

(5)特別養子の離縁
 この類型は、特別養子の離縁により、日本人の配偶者等の在留資格該当性を喪失した方で、生計を営むに足りる資産又は職業上の技能を有する方(未成年等の理由で、海外に在住する実親の扶養及び監護が必要な場合を除く。)です。日本で養親に扶養されたと認められ、生計を維持できる資産又は職業上の技能があることが求められます。

(7)両親とともに生活できない子
 この類型は、両親が既に帰国したか行方不明であるか、児童虐待で被害を受けたことにより、両親とともに日本で生活できない未成年の子が該当します。在留資格(ビザ)の許可をうける条件は、個々の事例により様々と思われます。未成年の子供の問題ですので、子供の人権に最大限の配慮をした対応が必要だと思います。

2.在留資格(ビザ)に関するもの

(1)定住者から他の在留資格(ビザ)に変更した方
 定住者から「留学」「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格(ビザ)に変更した方、結婚などの事情があって、再度、定住者への変更を認められる場合があります。

(2)長期間の就労者
 「技術・人文知識・国際業務」「医療」「技能」などの就労系の在留資格(ビザ)で10年以上に渡り日本で就労していた方が、失職等の事情で在留資格(ビザ)の更新が困難な場合に、定住者への変更が認められる場合があります。

(3)「永住者」について
 再入国期限までに再入国しなかった「永住者」や上陸拒否事由に該当する「永住者」について、特別な事情がある場合は、定住者の在留資格(ビザ)が認められる場合があります。

(4)家族滞在
 「家族滞在」の在留資格(ビザ)で日本の義務教育を受け、高校を卒業した方で、日本社会への定着性が高いと認められる場合、定住者の在留資格(ビザ)が認められます。

3.結び
 
4回にわたり定住者についてお話ししてきました。定住者は他の在留資格とは異なり、様々な要素が混じっています。ここでは細かく触れませんでしたが、難民の方や難民認定を受けられなかった方も、定住者の類型で扱われます。定住者を考える上では、ひとつひとつの事例について、丁寧に考えて、その方にとって最も望ましいことは何かを考えながらやっていく必要があると思います。

 本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

(参考文献)
「出入国管理」パンフレット(2017)     2017年    法務省入国管理局
出入国管理法令集(改訂第19版)     201612月  公益財団法人 入管協会
よくわかる入管手続 第5版        20177月  佐野秀雄 佐野誠 共著 日本加除出版
詳説 入管法の実務 新版         201710月  山脇康嗣著 新日本法規出版
ひと目でわかる外国人の入国・在留案内 15訂版 20162月  出入国管理法令研究会編 日本加除出版

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