定住者について(その2)


みなさんこんにちは、今日も外国人の方の在留資格(ビザ)についてお話ししたいと思います。前回から「定住者」を取り上げています。前回は、定住者の定義づけのお話で終わってしまいました。今回は、各分類の内容のお話をしてみたいと思います。今回は、海外に住む日本人との血縁関係を基礎とした方々を中心にお話ししたいと思います。

1.「日系人」に関係する場合

(1)日本国民として出生してきた者の実子(定住者告示第3号)

「日本国民として出生してきた者の実子」は、定住者告示第3号に該当する方々です。具体的には、つぎのような方々が該当します。

① 日本人の孫(3世)
② 日本国籍だった方の日本国籍離脱後に出生した実子(2世)
③ 日本国籍だった方の日本国籍離脱前に出生した実子の実子である孫(3世)

ただし、このような方々でも、定住者告示第1号(難民)または第8号(中国残留邦人)に該当する場合は、そちらの告示が適用されます。また、2世の場合は、親の日本国籍離脱前に出生していた場合は、「日本人の配偶者等」の在留資格(ビザ)に該当します。

(2)日本国民として出生してきた者の孫(定住者告示第4号)

定住者告示第4号では、「日本人の子として出生した者でかつ日本国民として本邦に本籍を有したことがあるものの実子の実子」と規定されています。具体的にはつぎのような方々が該当します。

① 日本国籍だった方(1世)の日本国籍離脱後に出生した実子(2世)の実子(3世)

ただし、このような方でも、定住者告示第1号(難民)、定住者告示第3号(日系2世)又は第8号(中国残留邦人)に該当する場合は、そちらの告示が適用されます。また、この分類に該当する方の実子(4世)は、定住者告示第6号(外国人の未成年で未婚の実子)に分類されます。

2.「配偶者と子」に関する場合

(1)配偶者について(定住者告示第5号)

外国人の定住者の配偶者に関する告示です。上陸時に配偶者とともに来日する場合と、未婚の定住者が日本国内で外国人と婚姻した場合の2つが想定されます。

① 「日本人の配偶者等」の在留資格で在留する者で日本人の子として出生した者の配偶者

⇒ これは、「日本人の配偶者等」で在留する日系2世の配偶者を対象にしています。

② 1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第3号又は
第4号に掲げる地位を有する者として上陸許可、在留資格の変更又は在留資格の取得の許
可を受けた者及びこの号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離
婚した者は除く。)の配偶者

⇒ これは、日系2世、日系3世以外の定住者の配偶者を対象としています。引き続き婚姻
関係が継続していることが必要です。在留期間内に離婚した者が配偶者をこの告示に
該当する「定住者」とすることはできません。

③ 第3号又は第4号に掲げる地位を有する者として上陸許可、在留資格の変更又は在留資格
  の取得の許可を受けた者で1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格を持って
  在留するもの(この号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該期間中に離婚をした
  ものを除く。)の配偶者であって素行が善良であるもの

  ⇒ これは、日系2世、日系3世の定住者の配偶者を対象としています。引き続き婚姻関係が
    継続していることが必要です。在留期間内に離婚した者が配偶者をこの告示に該当する
   「定住者」とすることはできません。

(2)子について(定住者告示第6号)

 定住者告示第6号には、未成年で未婚の子に関する事項が示されています。親の在留資格(ビザ)より子の在留資格(ビザ)が不明確とならないよう規定されています。複雑な関係のなか子に不利益の及ばないようにすることが求められるところです。

 ① 日本人、永住者又は特別永住者の扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子

  ⇒ 日本人の実子にあたるのは、帰化により日本国籍となった方の帰化前に出生した子を意
    味します。永住者又は特別永住者の子は、日本国外で出生したか、日本国内で出生後に
    日本国外で生活する子を意味します。

 ② 1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第3号、第4
   号又は第5号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留
   資格の取得の許可を受けた者を除く。)の扶養を受けて生活する当該者の未成年で未婚の実
   子

   ⇒ 日系2世、日系3世以外の定住者である親に扶養を受けて生活する未成年で未婚の実子を
     意味します。

 ③ 第3号、第4号又は第5号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許
 可又は在留資格の取得の許可を受けた者で1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資
 格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子であって素行
 が善良であるもの

 ⇒ 日系2世、日系3世の定住者又はその配偶者を親として扶養を受けて生活する未成年で未婚の
   実子(4世)を意味します。

 ④ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は1年以上の在留期間を指定され
  ている定住者の在留資格をもって在留するものの配偶者で日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等
  の在留資格もって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子

  ⇒ 日本人、永住者、特別永住者、配偶者が日本人の配偶者等である定住者、配偶者が永住者の配
    偶者等ある定住者で、現在の配偶者との間の子ではない未成年で未婚の実子(いわゆる連れ子)
    を意味します。連れ子の問題は、非常にデリケートかつ複雑です。実際の検討では、具体的に
    事例を調べる必要があります。

3.結び

今回は、「定住者」の配偶者と子についてお話ししました。家族関係の正確な把握して、該当する在留資格(ビザ)を当てはめる必要があります。結婚や離婚の問題がついて回るのでデリケートな部分もあります。対応するときは丁寧にやっていきたいと思います。

本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

(参考文献)
「出入国管理」パンフレット(2017)     2017年    法務省入国管理局
出入国管理法令集(改訂第19版)     2016年12月  公益財団法人 入管協会
よくわかる入管手続 第5版        2017年7月  佐野秀雄 佐野誠 共著 日本加除出版
詳説 入管法の実務 新版         2017年10月  山脇康嗣著 新日本法規出版
ひと目でわかる外国人の入国・在留案内 15訂版 2016年2月  出入国管理法令研究会編 日本加除出版

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