定住者について(その1)


 みなさんこんにちは、今日も外国人の方の在留資格(ビザ)についてお話ししたいと思います。今回は「定住者」を取り上げてみたいと思います。「定住者」は、これまで取り上げてきた就労系の在留資格と性質が違っています。特徴的なところがお話しできればいいと思います。話が長くなると思いますので、今回は3回くらいに分けて取り上げたいと思います。

1.「定住者」とは

 「定住者」は、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「永住者」とともに別表第二に分類される在留資格です。「定住者」の在留資格(ビザ)については、法務省の資料などによると「他のいずれの在留資格にも該当しないものの、我が国において相当期間の在留を認める特別な事情があると法務大臣が判断した者を受け入れるために設けられたものである。」とされています。類似する在留資格(ビザ)として「特定活動」がありますが、「特定活動」との違いは在留期間が最長5年まで認められる点にあると思います。「特定活動」では、ある目的を持った活動のためのもので、在留期間も1年程度のものが多く、更新できないものが中心です。「定住者」はこれとは性格を異にしています。

2.定住者の内容

 「定住者」の在留資格(ビザ)は、大きく2つに分類されます。1つは平成2年5月24日付の法務省告示(以下、定住者告示とします。)で示された第1号から第8号と、定住者告示に示されていないが、個々の活動の内容を判断して、その入国・在留を認めるもの(以下、定住者告示外とします。)があります。それぞれ、どのような内容があるかみていきたいと思います。

(1)定住者告示
 定住者告示には第1号から第8号まであります。その内容は、それぞれ次のとおりです。

 ① 1号(ミャンマー難民)
  タイ国内において一時的に庇護されているミャンマー難民であって、国連難民高等弁務官事務所が国際的
  な保護の必要な者と認め、我が国に対してその保護を推薦するもののうち、つぎのいずれかに係るもの
  イ 日本社会への適用能力がある者であって、生活を営むに足りる職に就くことが見込まれるもの
    及びその配偶者又は子
  ロ この号(イに係るものに限る)に掲げる地位を有する者として上陸の許可を受けて上陸しその後
    引き続き本邦に在留する者の親族であって、親族間の相互扶助が可能であるもの
 ② 2号(ミャンマー難民)
  マレーシア国内に一時滞在しているミャンマー難民であって、国連難民高等弁務官事務所が国際的な保護
  の必要な者と認め、我が国に対してその保護を推薦するもののうち、第1号イに該当するものに係るもの
 ③ 3号(日本人の子の実子)
  日本人の子として出生した者の実子(第1号、第2号又は第8号該当する者を除く。)であって素行が善
  良であるものに係るもの
 ④ 4号(日系3世)
  日本人の子として出生した者でかつ日本国民として本邦に本籍を有したことがあるものの実子の実子(
  第1号、第2号、第3号又は第8号に該当する者を除く。)であって素行が善良であるものに係るもの
 ⑤ 5号(配偶者)
  つぎのいずれかに該当する者(第1号から第4号まで又は第8号に該当する者を除く。)に係るもの
  イ 日本人の配偶者等の在留資格をもって在留する者で日本人の子として出生したものの配偶者
  ロ 1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第3号又は第4号に
    掲げる地位を有する者として上陸許可、在留資格の変更又は在留資格の取得の許可を受けた者及び
    この号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離婚した者は除く。)の配偶
    者
  ハ 第3号又は第4号に掲げる地位を有する者として上陸許可、在留資格の変更又は在留資格の取得の
    許可を受けた者で1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格を持って在留するもの(こ
    の号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該期間中に離婚をしたものを除く。)の配偶者
    であって素行が善良であるもの
 ⑥ 6号(未成年で未婚の実子)
  つぎのいずれかに該当する者(第1号から第4号又は第8号に該当する者を除く。)に係るもの
  イ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者又は日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱
    した者等の出入国管理に関する特例法に定める特別永住者の扶養を受けて生活するこれらの者の未
    成年で未婚の実子
  ロ 1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第3号、第4号又は
    第5号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の
    許可を受けた者を除く。)の扶養を受けて生活する当該者の未成年で未婚の実子
  ハ 第3号、第4号又は第5号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又
    は在留資格の取得の許可を受けた者で1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をも
    って在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子であって素行が善良で
    あるもの
  ニ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は1年以上の在留期間を指定されて
    いる定住者の在留資格をもって在留するものの配偶者で日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等の
    在留資格もって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子
 ⑦ 7号(6歳未満の養子)
  つぎのいずれかに該当する者の扶養を受けて生活するこれらの者の6歳未満の養子(第1号から第4号
  まで、第6号又は第8号に該当する者を除く。)に係るもの
  イ 日本人
  ロ 永住者の在留資格をもって在留する者
  ハ 1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者
  ニ 特別永住者
 ⑧ 8号(中国からの帰国者等)
  次のいずれかに該当する者に係るもの
  イ 中国の地域における昭和20年8月9日以後の混乱等の状況の下で本邦に引き揚げることなく同年
    9月2日以前から引き続き中国の地域に居住している者であって同日において日本国民として本邦
    に本籍を有していたもの
  ロ 前記イを両親として昭和20年9月3日以後中国の地域で出生し,引き続き中国の地域に居住して
    いる者
  ハ 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支
    援に関する法律施行規則(平成6年厚生省令第63号)第1条第1号若しくは第2号又は第2条第
    1号若しくは第2号に該当する者
  ニ 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支
    援に関する法律(平成6年法律第30号)第2条第1項に規定する中国残留邦人等であって同条第
    4項に規定する永住帰国により本邦に在留する者(以下「永住帰国中国残留邦人等」という。)と
    本邦で生活を共にするために本邦に入国する当該永住帰国中国残留邦人等の親族であって次のいず
    れかに該当するもの
    (ⅰ)配偶者
    (ⅱ)20歳未満の実子(配偶者のないものに限る。)
    (ⅲ)日常生活又は社会生活に相当程度の障害がある実子(配偶者のないものに限る。)であって
       当該永住帰国中国残留邦人等又はその配偶者の扶養を受けているもの
    (ⅳ)実子であって当該永住帰国中国残留邦人等(55歳以上であるもの又は日常生活若しくは社
       会生活に相当程度の障害があるものに限る。)の永住帰国後の早期の自立の促進及び生活の
       安定のために必要な扶養を行うため本邦で生活を共にすることが最も適当である者として当
       該永住帰国中国残留邦人等から申出のあったもの
    (ⅴ)前記(ⅳ)に規定する者の配偶者
  ホ 6歳に達する前から引き続き前記イからハまでのいずれかに該当する者と同居し(通学その他の理
    由により一時的にこれらの者と別居する場合を含む。以下同じ。),かつ,これらの者の扶養を受
    けている,又は6歳に達する前から婚姻若しくは就職するまでの間引き続きこれらの者と同居し,
    かつ,これらの者の扶養を受けていたこれらの者の養子又は配偶者の婚姻前の子

(2)定住者告示外

 ① 法務大臣により難民として認定されたもの
 ② 特別な事情を考慮して入国・在留を認めることが適当であるもの
  ア 日本人,永住者又は特別永住者である配偶者と離婚後引き続き本邦に在留を希望する者
    (ウに該当する者を除く。)
  イ 日本人,永住者又は特別永住者である配偶者が死亡した後引き続き本邦に在留を希望する者
    (ウに該当する者を除く。)
  ウ 日本人の実子を監護・養育する者
  エ 日本人,永住者又は特別永住者との婚姻が事実上破綻し,引き続き在留を希望する者
  オ 特別養子の離縁により「日本人の配偶者等」の在留資格該当性がなくなった者(申請人が未成年の
    ため実親による扶養又は監護が必要となる場合で、扶養又は監護する実親が海外に在住するときを
    除く。)で、生計を営むに足りる資産又は技能を有するもの
  カ 難民の認定をしない処分(以下「難民不認定処分」という。)後,特別な事情を考慮して在留資格
    「特定活動」により1年の在留期間の決定を受けた者で,在留資格「定住者」への在留資格変更許
    可申請を行ったもの
 ③ 両親が既に帰国し又は行方不明の未成年や児童虐待被害を受けた未成年の子
 ④ かつて告示定住として「定住者」の在留資格を有していた者
 ⑤ 就労系在留資格により継続して10年程度以上滞在している者
 ⑥ 出国中に再入国期間が徒過した永住者
 ⑦ その他の類型

3.結び

 今回は、「定住者」の在留資格(ビザ)の内容を記述しただけで今回は終わってしまいました。既存の在留資格では整理できない複雑なものが、すべて押し込められているということを意味します。次回以降では、いくつかのトピックを取り上げてお話したいと思います。

 本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

(参考文献)
「出入国管理」パンフレット(2017)     2017年    法務省入国管理局
出入国管理法令集(改訂第19版)     2016年12月  公益財団法人 入管協会
よくわかる入管手続 第5版        2017年7月  佐野秀雄 佐野誠 共著 日本加除出版
詳説 入管法の実務 新版         2017年10月  山脇康嗣著 新日本法規出版
ひと目でわかる外国人の入国・在留案内 15訂版 2016年2月  出入国管理法令研究会編 日本加除出版

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