就労系の在留資格(その4)


みなさんこんにちは、今日も外国人の方の在留資格(ビザ)についてお話ししたいと思います。今回は就労できない在留資格(ビザ)から、「家族滞在」を取り上げてみたいと思います。「家族滞在」は就労系の在留資格と非常に関連がありますので、今回取り上げてみることにします。 

1.「家族滞在」について 
まず、「家族滞在」の在留資格(ビザ)については、つぎのように説明できると思います。

「資料2の就労できるが就労内容に制限がある在留資格(ビザ)のなかで、「外交」、「公用」、「特定活動」、「技能実習」以外の在留資格(ビザ)を有する者及び就労できない在留資格(ビザ)のうち「文化活動」「留学」の在留資格(ビザ)有する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う活動。」ということができます。これを分解して説明したいと思います。
 
 在留資格(ビザ)は、在留資格(ビザ)を申請する人、ひとりひとりに対して許可されるものです。従って、家族で滞在しようとする場合は、家族のひとりひとりについて、在留資格(ビザ)を申請する必要があります。就労系の在留資格(ビザ)を有する外国人の配偶者が、他の就労系の在留資格(ビザ)で活動しない場合は、就労系の在留資格(ビザ)を有する外国人と世帯を構成して、就労系の在留資格(ビザ)を有する外国人の収入を生活の原資として日本で生活することになってきます。子も同様に親である就労系の在留資格(ビザ)を有する外国人と世帯を構成します。そうなると、配偶者は家事など家庭の日常生活を維持する活動行い、子は学校に通学するなどして生活します。このような就労せず家計維持を行っている配偶者とその子を、在留資格(ビザ)「家族滞在」という類型として扱います。「家族滞在」は世帯主の在留資格(ビザ)の前提の上に成り立つものと言っていいでしょう。 

2.「家族滞在」の在留資格(ビザ)の要件について
 「家族滞在」の在留資格(ビザ)の要件についてみていきたいと思います。 

(1)配偶者や子としての関係
 配偶者は日本に滞在する就労系の在留資格(ビザ)または「文化活動」「留学」の在留資格(ビザ)を持つ外国人と法律上の婚姻関係が継続中である必要があります。事実婚及び同性婚は対象となっていません。(同性婚は在留資格(ビザ)「特定活動」として扱われます。)また、子は嫡出子、養子及び非嫡出子も含まれます。また、子は成年に達した者も含まれます。いっぽう、親は「家族滞在」の在留資格(ビザ)は認められません。親を扶養する場合は、親に対しては在留資格(ビザ)「特定活動」が認められる場合があります。 

(2)扶養できる能力について
 就労系の在留資格(ビザ)を有する外国人又は「文化活動」「留学」の在留資格(ビザ)を持つ外国人は、「家族滞在」の在留資格(ビザ)を有する外国人を扶養できる経済的な基盤を持っている必要があります。つまり、家族を扶養するのに必要な収入が安定的にあり、また、貯蓄も十分にあることなどが求められます。また、住居も家族で生活をするのに十分なものである必要があります。生活は基本的には同居することが求められます。例えば、扶養者が会社に勤務していて転勤を命じられた場合は、家族で一緒に赴任先に引っ越したほうが良いでしょう。別居になる場合は、別居になる理由や別居生活でも十分に生活できる経済的基盤があることが必要です。
 そして、ここで問題になるのが「文化活動」「留学」の在留資格(ビザ)です。この2つの在留資格(ビザ)は就労できないことになっています。この前提のもとで「家族滞在」の在留資格(ビザ)を有する外国人を扶養する能力があると認定されるのは難しいと言えます。就労しなくても世帯全員の生活に必要な資金があることなどが求められます。

 (補足)「家族滞在」の在留資格(ビザ)も資格外活動許可を取得してアルバイトをすることができます。 

(3)扶養の意思
 就労系の在留資格(ビザ)を有する外国人または「文化活動」「留学」の在留資格(ビザ)を持つ外国人は、「家族滞在」の在留資格(ビザ)を有する外国人を扶養する十分な意思があることを説明する必要があります。日本に滞在中は、家族として善良な生活を行っていく意思が十分にあることを示す必要があります。 

3.結び 
今回は、「家族滞在」の在留資格(ビザ)を取り上げてみました。「家族滞在」の場合は、扶養者の在留資格(ビザ)に従属する形でしか許可されないので、扶養者の在留資格(ビザ)との関係が変化(離婚)したり、扶養者が帰国したりすると、在留資格(ビザ)を失います。また、扶養者の就職・転職・失業などによっても在留資格(ビザ)の申請が必要な場合もあります。「家族滞在」の在留資格(ビザ)の方が、家庭内のことを十分に行って、扶養者の方が不安なく本来の活動ができるようにすることが求められます。

  本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

 (参考文献)
「出入国管理」パンフレット(2017)          2017年    法務省入国管理局
出入国管理法令集(改訂第19版)           201612月  公益財団法人 入管協会
よくわかる入管手続 第5版             20177月  佐野秀雄 佐野誠 共著 日本加除出版
詳説 入管法の実務 新版              201710月  山脇康嗣著 新日本法規出版
ひと目でわかる外国人の入国・在留案内 15訂版 20162月   出入国管理法令研究会編 日本加除出版
 

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