就労系の在留資格(その2)


みなさんこんにちは、今日も外国人の方の在留資格(ビザ)についてお話ししたいと思います。前回に続き。今回は就労可能なビザのうち、就労内容に制限があるグループから「経営・管理」を取り上げてみたいと思います。 

1.「経営・管理」について 

まず、「経営・管理」の在留資格(ビザ)の内容についてみてみましょう。入国管理局のパンフレットである「出入国管理(2017)」では、「本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動」と説明されています。これは、「経営を行い」の部分は、外国人の方が、企業の経営者(代表取締役・取締役・監査役・執行役、代表社員等)として、日本国内で活動することを意味します。また、「事業の管理」は、外国人の方が日本国内で上級の管理職(事業部長・工場長・本部長・支店長・部長等)として活動することを意味します。「事業の管理」の場合は、3年以上の実務経験が求められます。また、所属する企業の規模は相応のものが求められると考えた方が良いでしょう。ここでは、「経営を行い」にあたる方を、中心にみていきたいと思います。 

(1)「経営・管理」に該当するケースこれは
 「経営・管理」の在留資格(ビザ)を申請するケースには、つぎのようなケースがあります。
 ① 在留資格(ビザ)が「技術・人文知識・国際業務」や「技能」などの就労系の在留資格(ビザ)の方が、
          所属していた会社を退職して自分で事業を始めるため会社を設立して、取締役等に就任するとき。
 ② 在留資格(ビザ)が「留学」や「特定活動」の方が、企業などに就職せず自分で事業を始めるため会社を
           設立して、取締役等に就任するとき。
 ③ 国外在住の方が、日本で事業を行うための会社を日本で設立して、来日して代表取締役などとして会社の
          経営を行うとき。
(筆者注;就労制限のない在留資格(ビザ)(「永住者」等)の方は、現在の在留資格(ビザ)で会社の経営を行うことができます。) 

(2)「経営・管理」の要件
 「経営・管理」の在留資格(ビザ)を認められる外国人の方は、どのような要件を満たすと、在留資格(ビザ)が認められるのでしょうか。要件的には、人(申請人)・物(会社)・金(資金)の各要素に分類して考えることができます。いずれもの要素でも会社として実質的かつ継続的に運営され、事業を行なえるかが確認されます。
  ① 人(申請人)に関する要件
  (a) 申請人が業務執行者として分担された相当量の業務があり、実質的に業務の執行にあたること。
(筆者注;私が入国管理局の資料など読んでみた範囲では、直接申請人に言及するのはこの箇所くらいかと思います。その内容は、物(会社)の箇所で触れますが、会社の組織と経営計画で具体化する内容になると思います。また、明確とは言えませんが、経営者自身の資質を考慮していると思える時もあるように思えます。)
 
 ② 物(会社)に関する要件
  (a) 役員でない常勤の従業員(正社員)が2名以上業務に従事して営まれる事業であること。
  (b) 資本金又は出資金の額が500万円以上であること。
  (c) (a)または(b)に準ずる規模があると認められるものであること。
 基本的な要件はこのようになっています。実際は、実質的かつ継続的に会社が運営されていくかが問われ、その経営に申請人が具体的に従事するかが問題になります。そのような点を確認するためより具体的な事項が確認されています。いくつかを紹介しましょう。
・会社は設立済か。(法人登記されているか。)
  ・事業の運営に必要な事務所及び店舗が具体的に確保されていること。
  ・事務所及び店舗内に業務の継続に必要な設備や備品等は設置されているか。
  ・会社の具体的な事業計画は存在するか。既設の会社であれば、
   決算状況で債務超過などになっていないか。
  ・具体的な仕入先や販売先が確保されているか。
このように結構具体的に審査されます。
 
③ 金(資金)に関する要件
 ②で資本金又は出資金の額が500万円以上という要件がありましたが、この資本金又は出資金をどのように確保したかも、重点的に確認されます。自分で貯めた資金か人から借りた資金かに関係なく、その資金が不正な手段を用いず形成されたものであることを証明する必要があります。
 
2.「経営・管理」在留資格(ビザ)の申請について
 
 「経営・管理」の在留資格(ビザ)を入国管理局に申請する場合は、申請人自身の身元や経歴を説明する資料と会社の事業内容を説明する資料を用意します。資料のなかでは「経営・管理」の要件で説明した事項が、具体的に説明されている必要があります。実際に揃えたものは、契約書だけでなく写真なども提出する必要があります。実際のところ、在留資格(ビザ)の許可が下りたらすぐに営業が開始できる程度まで、具体化しておかないといけないと言ってもいいと思います。
 
3.結び
 
今回は、「経営・管理」の在留資格(ビザ)を取り上げてみました。日本は事業を行うのには規制の多い国ですので、新たに事業を始めるのは難しい分野もあると思います。外国人の方は、国内の規制をクリアした状態で会社の経営を行う準備をして、そのうえに在留資格(ビザ)の申請をする必要がありますから大変だと思います。しかし、それを乗り越えて成功している方が多数おられるのも事実です。
 
 本日も最後までご覧いただきありがとうございました。
 
(参考文献)
「出入国管理」パンフレット(2017)          2017年    法務省入国管理局
出入国管理法令集(改訂第19版)           201612月  公益財団法人 入管協会
よくわかる入管手続 第5版             20177月  佐野秀雄 佐野誠 共著 日本加除出版
詳説 入管法の実務 新版              201710月  山脇康嗣著 新日本法規出版
ひと目でわかる外国人の入国・在留案内 15訂版 20162月   出入国管理法令研究会編 日本加除出版
 

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