在留資格を分類してみる


 みなさんこんにちは、今日も外国人の方の在留資格(ビザ)についてお話ししたいと思います。前回は、在留資格の概略をお話ししました。今日は在留資格(ビザ)の区分についてお話ししたいと思います。
日本に滞在する外国人の方には、その活動内容に応じて在留資格と在留期間が付与されます。前回お話ししたとおり、在留資格(ビザ)は36種類(201711月現在)の区分があります。その区分の特徴をお話ししたいと思います。 

1.在留資格の区分設定の分類 

 日本への入国出国を規定する法律として「出入国管理及び難民認定法(以下、入管法とします。」が施行されています。外国人の方の在留資格(ビザ)も入管法に規定されています。前回お話した別表一と別表二のことです。そこには、36種類の区分があります。これを、分類して考えてみたいと思います。在留資格の認定・変更・更新を考えていくうえで役に立つと思います。分類の基準には「就労」というキーワードを使います。ここでの「就労」という言葉の意味は、「営利・非営利に関係なく、活動の対価として日本国内で収入を得る活動」としておきます。そして分類は、はじめは「就労ができる」と「就労ができない」です。まず、ここで大きく2つに分類します。そして、「就労ができる」に分類されたものをさらに「就労内容に制限がある」と「就労内容に制限がない」に分類して検討します。この基準で分類すると、在留資格は「資料2在留資格(ビザ)の就労による分類」のとおりに分類できます。一部に例外的な箇所もありますが、基本的な分類はこのようになります。

 入国管理局が在留資格について審査する場合も、この分類からくる活動内容に適合しているかを審査します。また、例外的に本来の在留資格以外の活動(以下、資格外活動とします。)をするときも、この分類をもとにして考えると有効です。つぎに分類別にお話ししたいと思います。

 

 

 

2.就労できる分類

(1)就労内容に制限がある分類
 この分類に該当する在留資格(ビザ)は、仕事をして日本で収入を得る活動を行うことを目的とする分類ということができるでしょう。そのため、日本滞在中は、認定された在留資格(ビザ)(在留カードに記載された在留資格)に該当する仕事を行っていなくてはなりません。正当な理由なく長期間にわたり活動をしていないと、不法滞在になってしまいます。会社の倒産や解雇及び自己都合退職による失業の場合は、入国管理局に届出を行い、次の仕事先を探して就職する必要があります。次の仕事先での仕事の内容も、認定された在留資格(ビザ)に適合していなくてはなりません。例えば、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の方が、会社を退職して自分で会社を起業する場合は、在留資格「経営・管理」に変更しなくてはなりません。入国管理局に在留資格変更許可申請を行って許可が下りないと、会社の経営を始めることができません。また、別な会社に転職した場合は、入国管理局に就労資格証明書の交付申請を行って、転職先でも在留資格(ビザ)に適合した活動を行うことの証明を受けなくてはなりません。

(2)就労内容に制限がない分類
 この分類に該当する在留資格(ビザ)は、仕事をするうえではどのような仕事を行っても、在留資格(ビザ)に関する申請は基本的には不要です。ただ、仕事の内容が違法であったり公序良俗に反するものであれば、在留状況が不良とされ在留資格(ビザ)の維持に影響します。この分類の方の在留資格(ビザ)は、その方が日本人と結婚しているまたはその子である、日系2世3世であるなどその方の地位に依拠しています。前回のお話で身分系という説明をした方の分類です。日本人の配偶者等と永住者の配偶者等は、婚姻とその婚姻で誕生した子供であることが根拠になっています。定住者は、日系2世3世・中国残留邦人などの定住者告示にある類型の方と、告示外でも法務省の定めた要件に該当する方に認められています。同性婚の方などもこの類型の対象になります。そして、永住者は、10年以上の在留など諸条件を満たした方について認められる在留資格(ビザ)で、他の類型とやや異なりますが、同じ分類になります。

 3.就労できない分類

 この分類の方は、日本に滞在する目的は仕事をするためではないとして、仕事をすることができません。在留資格が留学であれば、大学や専門学校などに通学して、専門知識を習得するために勉学するのが目的ですので、仕事をすることはないということになります。また。在留資格が家族滞在であれば、家庭環境の維持や主たる収入者の生活支援が滞在の目的になりますから、仕事をすることはないということになります。そうすると、在留資格の短期滞在を使って商用で訪れている方は、仕事をしているのではないかと思われると思います。この点は、日本国内で収入を得ていないことや反復性のない講演などでの収入は就労にあたらないとされています。これは研修でも同様です。また、大学生などがアルバイトをしているのを良く見かけると思います。これは、本来の活動に支障のない範囲で、認定された在留資格(ビザ)以外の活動を行う資格外活動の許可をとって行っています。資格外活動の許可をとれば、1週間につき28時間以内であればアルバイトなど本来の在留資格以外の活動ができます。 

4.結び

 今回は、就労をキーワードにして在留資格(ビザ)を分類して特徴をお話ししました。在留資格(ビザ)を考えるうえで就労が重要であることがおわかりいただけたと思います。入国管理局に対する手続きも就労の内容により変わってきます。どんなときにどんな内容の申請をすれば良いのかがよくわからないときは、行政書士に相談してみてください。役に立つお手伝いができると思います。次回からは、該当する方の多い在留資格(ビザ)を個別にみていきたいと思います。 

 本日も最後までご覧いただきありがとうございました。 

(参考文献)
「出入国管理」パンフレット(2017)          2017年    法務省入国管理局
出入国管理法令集(改訂第19版)           201612月  公益財団法人 入管協会
よくわかる入管手続 第5版             20177月  佐野秀雄 佐野誠 共著 日本加除出版
詳説 入管法の実務 新版              201710月  山脇康嗣著 新日本法規出版
ひと目でわかる外国人の入国・在留案内 15訂版 20162月   出入国管理法令研究会編 日本加除出版
 

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