農地法第4条(農地転用)


 みなさんこんにちは、4月になりました。2018年度のスタートです。新たな気持ちでいきたいと思います。9回目の投稿になります。今日もよろしくお願いします。今日は農業と農地の話の4回目です。前回は農地・採草放牧地の権利移転についてお話しました。今回は農地転用についてお話ししたいと思います。 

1.農地転用

(1)農地転用とは
農地転用とはどのようなことでしょうか、農地法では、農地法の規制を受けるのは、「農地を農地以外のものにする」としています。「農地以外のものにする」とは、具体的にどのようなことを意味するでしょう。農地法第4条では、採草放牧地は規制の対象になっていません。
農地は、耕作を目的に使用される土地ですから、「農地以外」ということは、耕作を目的としない土地になるということになります。「ものにする」は人為的に変更することを意味します。つまり、「人為的に耕作しない土地にする」ことが農地転用ということになります。具体的には、住宅や店舗の用地にする、道路にするなどです。「農地転用」を行う場合、原則として市区町村の農業委員会へ許可を申請して、都道府県知事又は市町村長(*1)から許可を受ける必要があります。
*1 農林水産大臣が指定した指定市町村では都道府県と同等の権限が付与され、市町村長が転用許可を行います。・
(2)制限の例外
 「農地転用」には、許可が不要な例外にあたる場合があります。農地法第41項の1号から8号に規定されています。内容として概ね公共目的と農業振興目的にあたるケースが許可不要となります。この中で問題になるのが、7号に規定される市街化区域の農地の転用です。市街化区域内の農地は、転用の届出を農業委員会に対して行うと、農地法第4条の転用許可がなくても転用が可能です。ただし、転用の届出を適法に行わないと、届出は受理されず転用は違法となりますので注意してください。

2.農地の転用を行うときの手続き    

 (1)申請の流れ

 農地転用を行う場合は、農地の所有者など転用する人が申請人となって、市区町村の農業委員会に対して、申請を行います。申請から決定までの流れは、図1のとおりになります。

 図1のとおり農地転用の申請は、市区町村の農業委員会に行います。申請は市区町村の農業委員会の意見書とともに都道府県へ送付されます。実際の許可は都道府県が行い、許可・不許可を決定して、結果を申請人に通知します。例外として、農林水産大臣の指定を受けた市町村は、都道府県と同等の権限は付与されるため、市町村で許可・不許可の決定を行い、結果を申請人に通知します。また、転用面積が30アール以上の場合は、都道府県農業委員会ネットワーク機構に意見を求めることとされています。このような、業務フローで申請は処理されていきます。

 (2)許可基準
 農地転用で申請が許可されるためには、許可基準を満たしているかどうかが重要になります。農地転用の許可基準は、立地基準と一般基準からなっています。
  立地基準   農地を営農条件及び周辺の市街化の状況から区分し可否を判断
  一般基準   確実に転用が行われるか、周辺の営農条件に悪影響がないかの面から判断
この両方の基準を満たす申請が許可されます。
① 立地基準
 農地法第46項等には、原則転用許可をしない農地があげられており、ただし書きなどで、例外的に許可する場合が示されています。これを、整理する図2のようになります。

これを見ていくと、第3種農地以外は原則不許可なので、条件が厳しいように見えますが、審査の運用面では、転用目的や用途の内容などから許可を受けられる場合が、多数設けられています。転用の目的や用途から、どの条件に該当するかを丹念に調べ、検討することが重要です。

 

 

 

② 一般基準
 一般基準では、農地転用の確実性と周辺の営農への影響を評価して判断します。
  ・資金が転用の目的達成のため十分に確保されているか
  ・自然人の行為能力/法人の業務内容が目的の範囲内
  ・過去の転用で問題事例がないか
  ・法律上の利害関係者の承認はあるか
  ・転用後の事業を行うのに必要な許認可を得ているか
  ・周辺の被害防除の体制がとれているか  等
申請人の事業継続の意思と能力及び周囲との調和がとれる形となっているかが問題となります。 

3.結び

 農地転用の許可申請では、転用が許可基準に合致しているかを十分に検討する必要があります。転用する農地が、立地条件のどの事例に適合するかを確認し、併せて、転用の計画が許可を受けるための具体性があり、かつ、必要な各種手続きが確実に行われることが必要です。 
 本日も最後までご覧いただきありがとうございました。次回は、農地法第5条について取り上げたいと思います。

(お詫びと訂正)
農地法第4条で採草放牧地が規制の対象になると表現しておりました。しかし、正しくは農地法第4条では農地のみが規制の対象となります。本文中の記述を訂正しました。お詫び申し上げます。(2018-04-05)

(参考文献)
農地法読本三訂版            宮崎直己著 20166月 大成出版社
農地法の解説改訂二版          201611月 全国農業委員会ネットワーク機構 (一社)全国農業会議所
新・よくわかる農地の法律手続き改訂三版 201611月 全国農業委員会ネットワーク機構 (一社)全国農業会議所
農地転用許可制度の手引 改訂6版    20167月 全国農業委員会ネットワーク機構 (一社)全国農業会議所

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