農地と法律及び行政


 みなさんこんにちは、6回目の投稿になります。今日もよろしくお願いします。今日からは農業と農地について、農地法を中心にまとめてみたいと思います。農業は国民に食料を供給するための重要な産業です。その基盤となる農業を行う土地である農地は、農業にとって根幹をなす重要な要素だと思います。私は現在の農業は戦後の農地改革を起点として、自作農家による農業経営をベースのモデルにして、法律や制度が整備されてきたと思います。ここでは、農地法を中心において整理したいと思います。 

1.農地に関係する法律と行政機関

  農地に関する法律は、農地法をはじめ、政策的な措置を実現する農業振興地域の整備に関する法律、土壌改良などのための土地改良法など多岐に渡ります。また、細かい部分の規定は政令・省令・規則などで定められ、実際の運用は、行政庁の通知・通達などにより行われています。ここまででもかなり複雑に見えます。そして、民法や地方自治法などの行政法及び不動産登記法など多様な法律が関係します。

 また、農業に関連する行政機関は、最寄りの機関としては市区町村では農政担当課・営農指導担当課があり、行政委員会として市区町村に農業委員会が設置されています。(農業委員会を設置していない市区町村もあります。)また、農業協同組合などの経済的な機能を担う組織もかかわってきます。

 私のこれからのお話では、農地法と農業委員会の話がよく出てきます。今の法律と制度では、農地の問題を考えるうえでは、この2つの要素が中心になるからです。

 2.農地法について

  農地法は、国土が狭く山間地の多い日本で、優良な農地を確保して適正かつ効率的な運用をして、国民に対して安定的な食料の供給を行うことが不可欠との認識と、自ら耕作を行う意思のある農家(自作農家)が、継続的かつ安定的な農業経営を行うことを目的として昭和27年(1952年)に制定されました。第1条の条文をご紹介します。

 第一条  この法律は、国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であることにかんがみ、耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も踏まえつつ、農地を農地以外のものにすることを規制するとともに、農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進し、及び農地の利用関係を調整し、並びに農地の農業上の利用を確保するための措置を講ずることにより、耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図り、もつて国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的とする。

  さらに、現代の貿易の自由化や農業経営のあり方の変化に対応するため、農地所有適格法人による農地の所有など、農業の競争力強化を図って食料の安定供給の確保に向けた改正が、平成21年(2009年)以来重ねられています。

 3.農業委員会の役割

  農業委員会は、農業委員会等に関する法律に基づき市区町村に設置された行政委員会です。農業委員で構成される合議制の行政機関です。農業委員会の役割は、農業生産力の増進と農業経営の合理化を図ることをもって、農業の健全な発展に寄与することにあります。この目的を達成するため、農地の譲渡・賃貸借・転用などを行おうとする場合は、農業委員会への届出または許可申請が必要になっています。許可が必要なものについては、農業委員会総会での審議を受け許可を得たもののみが実施可能です。実際に法務局で登記を行うときには、農業委員会の許可を証する書面が添付されていないと、登記ができないものが多数あります。また、農業委員会では、農地台帳が整備され市区町村内の農地の状況について把握することになっています。一定の情報についてはインターネット上で公開され、農地の有効活用を目的として情報を活用することとされています。

 4.結び

  これから数回は、農業と農地についてみていこうと思います。はじめは、重要な役割を果たす農地法と農業委員会についてみてみました。次回以降は、農地を処分(譲渡・賃貸借・転用)する場合の農地法上の問題を、順を追ってお話ししたいと思います。

  本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

(参考文献)
農地法読本三訂版      宮崎直己著 20166月 大成出版社
農地法の解説改訂二版          201611月 全国農業委員会ネットワーク機構 (一社)全国農業会議所
新・よくわかる農地の法律手続き改訂三版 201611月 全国農業委員会ネットワーク機構 (一社)全国農業会議所
 

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