宅地建物取引業の免許申請


 みなさんこんにちは、4回目の投稿になります。今日も前回に引き続き、宅地建物取引業を取り上げていきます。前回は宅地建物取引業免許の許可要件についてお話しました。今回は、実際の宅地建物取引業の免許申請についてお話ししたいと思います。今回は、実際に申請書類を作成していくうえでの注意点などをお話したいと思います。その際、基本となるのは申請書類を提出する都道府県が作成した「申請の手引き」をよく読んで行うことです。宅地建物取引業法という法律に基づく申請ですが、各都道府県が独自に「基準」を定めていたり、過去の「行政実例」も踏まえて独自に判断しているところもありますので注意が必要です。

 1.申請する際の事前確認事項

  都道府県が作成した「申請の手引き」に良く記載されている注意点の一部をご紹介します。

 (1)事業者の名称

  事業者の名称は、その事業者を特定しその性格を位置付ける重要な要素ですので、消費者から誤解が生じないようにする必要があります。法人の場合は、公的機関等と誤解をうけるような紛らわしい名称の使用は許可されません。「○○公社」「○○協会」「○○事業団」「○○流通機構」と言った名称の使用は避ける必要があります。これを理由に申請が不許可になり名称の変更することになると、社印の再作成・定款の変更・法人登記の変更などをすることになり、時間と費用を浪費します。また、個人の場合も「○○不動産部」といった法人を連想させる屋号は認められません。

 (2)事業の目的

  法人の定款作成にあたっては、登記事項となる事業の目的に「不動産業」「宅地建物の売買、代理及び仲介」といった、不動産の取引を示す目的を入れる必要があります。これがないと、宅地建物取引を業とする者と扱われません。

 (3)事務所の名称

  本店以外の事務所の名称に「○○支店」を用いる場合は、支店の名称と所在が登記されている必要があります。つまり、資料として提出する「履歴事項全部証明書」に記載がないといけないことになります。「履歴事項全部証明書」に記載のない事務所は、「○○店」や「○○営業所」としておく必要があります。

 (4)専任の取引士の勤務先

  新規に申請する場合、専任の取引士は「取引士資格登録簿」上では勤務先名が登録されていない状態になっている必要があります。これは、専任性を担保するうえで必要となってきます。「取引士資格登録簿」に前の勤務先が記載されている場合、申請前に変更手続きをすることになります。また、申請が許可され宅地建物取引業免許が交付された後には、「取引士資格登録簿」の記載を変更するよう、別に申請する必要があります。

  その他にも注意点がありますが、主なものを取り上げてみました。

 2.証明書の注意事項

  申請にあたっては、申請書と添付書類の他に、公的機関の発行する証明書を提出します。証明書類の基本的な注意は、証明書の発行日付が申請日から3ケ月以内であることです。発行から3ケ月を経過した証明書は、改めて取得することになります。また、郵送で請求する場合は、請求方法をホームページなどで確認してから請求してください。主な証明書の注意点をご紹介します。

 (1)会社の役員等に関連する証明書

  ① 身分証明書

   各人の本籍がある市区町村の戸籍担当窓口で取得します。

 ② 登記されていないことの証明書

  •  窓口で請求する場合は、各法務局・地方法務局の本局で取り扱っています。支局や出張所で は扱っていませんから注意してください。 
  •  郵送請求する場合は、全国どこからでも東京法務局のみでの発行になります。時間に余裕をもって請求してください。
  •  証明をうける区分は「成年被後見人及び被保佐人とする記録がない」です。ほかの区分を指定しないようにします。

 ③ 住民票(個人のみ)

  •  マイナンバーの記載がないものを提出します。
  •  外国人の方は、国籍等・在留資格・在留期間・在留期限・在留カード番号の記載のあるものを提出します。 

(2)法人に関する証明書

 ① 履歴事項全部証明書

  • 全国の法務局・地方法務局・支局・出張所で取得可能です。
  • 現在事項全部証明書では受付されません。

 

3.申請書類の提出先と注意事項

  「申請の手引き」に従い申請書類作成と添付資料を揃えました。これで、申請書類の提出となりますが、ここにも注意事項があります。

 (1)書類の揃え方

  書類は、片面印刷して左側に一般的な2穴パンチで穴を空け、綴じ紐で綴じて提出します。また、書類を綴じる順序も、都道府県ごとに指定がありますので、その順序に従います。正本1通と副本を提出します。副本は証明書類も含めコピーでかまいません。正本と同じように綴じます。副本の提出部数は、国土交通大臣申請では2通、都道府県知事申請では1通としているところが多いですが、都道府県により異なります。それぞれ指示された部数を提出します。

(2)申請書の提出

 国土交通大臣申請・都道府県知事申請とも、都道府県の宅地建物取引業免許担当窓口に提出します。国土交通大臣申請は、都道府県より管轄の地方整備局へ送付されます。提出にあたっては、申請窓口で、申請内容に関する具体的な説明を求められるので、個人の場合は申請人本人、法人の場合は役員または従業員及び委任を受けた行政書士が持参して提出します。郵送での受付は行っていません。

  • 神奈川県の提出窓口                                            神奈川県県土整備局事業管理部建設業課横浜駐在事務所(宅建指導担当)              横浜市神奈川区鶴屋町2-24-2 かながわ県民センター4階
  • 東京都の提出窓口                                  東京都都市整備局住宅政策推進部不動産業課免許担当(第二本庁舎3階③番窓口)      東京都新宿区西新宿2-8-1

 4.結び

  宅地建物取引業の免許申請にも、いろいろと注意点があります。申請にあたっては各都道府県が作成した「申請の手引き」を良く読んで、指示に従い書類の作成と提出を行ってください。なお、「申請の手引き」や申請書の書式は、各都道府県のホームページからダウンロードできます。  

 次回は、宅地建物取引業の免許交付と更新を取り上げ、宅地建物取引業についての話を締めくくりいと思います。

 最後まで、ご覧いただきありがとうございました

                   (参考文献)宅地建物取引業法の解説(5訂版)平成223月 宅地建物取引業法令研究会編 住宅新報社刊                                                宅地建物取引業免許申請の手引 平成291月 東京都都市整備局住宅政策推進部不動産業課                                              宅地建物取引業法免許申請書等の記載手引 平成274月                                                                                                   神奈川県土整備局事業管理部建設業課横浜駐在事務所(宅建指導担当)

 

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